内臓アプローチは本当に内臓を動かしているのか?
腹部への持続圧は、感覚受容器のルフィ二を活性化させ、副交感神経反応を引き起こし、筋緊張の低下を起こすという自律神経系への影響が言われています。
また、腸管の機械的刺激に反応する感覚神経により、セロトニンがでて蠕動運動や消化を促す可能性があります。ヒスタミンは腸管の収縮に関与しています。つまり、腸管の動きを促す可能性があります。
内臓マニピュレーションは、膜の癒着を剥がしたり、内臓の位置を正している訳ではありません。では何が効果を感じさせるのでしょうか?
3つあります。
1. 持続圧によりルフィ二終末が反応し、副交感神経反応を引き起こす。
2. 腸管の機械受容器を刺激することで、腸管の蠕動運動や収縮に関与するセロトニンやヒスタミンが放出される。
3.皮神経の絞扼状態が変化して、腹部の痛みや不快感が減る。 しかし、この3つに強い力は必要ありません。
内臓アプローチで内臓を傷つけたという論文もあります。
内臓アプローチは、皮膚や筋膜と同じルフィ二や自律神経、皮神経の絞扼などの影響によるものです。
また、内臓の手前には厚い脂肪層があるので、徒手で効果を出すことは物理的に非常に難しいのが現実です。
結局は、それより浅層にある、皮神経アプローチによる影響が大きいと考えるのが妥当でしょう。